kaokoma.comのお話 / About kaokoma.com

15 Apr 2018

こんにちは。kaokomaです。

香港のレポートの途中ですが、今日は私の紹介をしたいと思います。

このメディアを立上げる構想は2年ほど前からありましたが、
紆余曲折を経て昨年5月に開設、その後細々と調整をしながら今年の1月に初めてアーティストインタビュー記事をアップしました。

そもそもなぜ、アーティストインタビューをしようと思ったのか。
なぜ、このメディアを立ち上げたのか。

1. なぜ、アーティストインタビューをしようと思ったのか

その発端は私が学生時代にアーティストインタビューを行ったことにあります。

大学のキャンパスに併設されて国際藝術研究センター、つまり「アーティストインレジデンス」プログラムがありました。
そこに招聘され研究生として勤めていたアーティストである「クラウディア・シュマッケ(CLAUDIA SCHMACKE)」にインタビューをしたのが始まりです。

一般的に、アーティストは言葉ではなく(言葉を使うアーティストや、作品紹介の場で作品の意図をプレゼンテーションする場合を除き)、
作品によって伝えたいことを形にします。

形にされた作品からは伝えたいメッセージは伝わりますが、
それに至るコンテクストや作品制作の経緯、あるいはバイオグラフィやその人のパーソナリティ自体までを伝えることはできません。
伝わるときはあるかもしれませんが、それを主たる目的とはしていません。
アーティストの生き方やストーリーは人間として普遍的な価値があり、かつドラマティックではないか、そう考えたのです。

誰もが知っているアーティスト「ピカソ」が恋人がたくさんいた説などはとても有名です。
恋人同志がであってしまい修羅場になったお話など多く残っています。

また、ゴーギャンとゴッホが仲たがいをした耳切事件なども有名です。

だれもがこうしたある種スキャンダラスな部分も含んだ
人間らしいドラマやストーリーに興味を持ち感動したり驚いたり、共感するものです。

そこで私はそのアーティストがどんなパーソナリティやバイオグラフを持っているのか、とても興味を持ち、
インタビューをしたいと申し出、同じ研究員の方に通訳をしていただきインタビューを行いました。

当初は誰に見せるわけでもなくただ自分の満足のためだったのです。
ただ、そうして言語化した時に、それまで見えてこなかったものまでもが共通言語として見える化し、
とても面白い現象が生まれたことに気づきました。

作品の背景でそうしたストーリーがあることを、誰もがパラレルに見ることができる環境を作ったら、
より一層そのアーティストが立体的に見えるのではないか。

そう考えました。

それから約10年以上経ち今ここにいます。

アーティストインタビューにより、アーティストの作品に向き合うだけの“二次元”の側面ではなく、
裏や横から見た顔が見える、“三次元”の付き合い方やその環境を与えること。
これがこのメディアで意図した構想です。

ただし、数多あるアートメディアの中でなぜこうしたメディアを立ち上げたのか。
また、なぜインタビューに若手のアーティストを取り上げているのか。

それには以下のような考えがあります。

2. なぜこうしたメディアを立ち上げたのか。なぜ若手なのか。

ある程度名が知れているアーティストや活躍が期待されることが自明であるアーティストをフォーカスした記事はあるかと思います。
また、展覧会やアーティスト批評を主とした記事はあるかと思います。
ですが、若手アーティストのバイオグラフィやフィロソフィーにフォーカスし、
そのドラマチックなストーリーを掘り下げたメディアは少ないと感じます。

もちろん上記のメディアを批判するつもりはありません。
むしろできることならば協力し合いながら盛り上げていければと思っています。

日本の若手アーティストの中のそうした部分にフォーカスすることを、このメディアのインタビューでは主たる条件としていきたいと思います。
それは、日本の若手アーティスト(ギャラリーなどに属していない、まだ無名の)をインタビューして記事化するメディアが少なく
しかし一方で世界中から注目を浴び情報を求められている日本のアートマーケットを助けることにつながれば嬉しいと思います。

また、一方で世界のアートの現状を伝える媒介的な情報源としての役割も果たしていきたいと思います。

世界と日本と、そしてアーティストとコレクターとの
橋渡しができるようなメディアになればと思っています。

改善点はまだまだたくさんあり…
例えば、伝えたいことが多くどうしても1記事の文章が長くなってしまうことや(笑)、
コレクターに有益な情報を提供していくことができるよう改善していきます。

はじめてインタビューを受けてくださった宮地 薫さんには感謝いたします。
これからもアーティストとその周りで起こっている事象を丁寧に掘り下げるメディアでありたいと思います。

今後もどうぞお楽しみに。

kaokoma Apr 2018

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