Art Basel Hong Kong #2

15 Apr 2018

こんにちは。kaokomaです。

Art Basel Hong Kong (香港)のレポート2つめは、
Baselから会場を移して、田湾にある「Gallery EXIT/安全口 」を紹介します。

こちらのギャラリーは、2008年に設立されたギャラリーで、もともとはセントラルの方にあったようですが、より広いスペースを求めて移転されたそうです。

印刷会社などが入っているような大きな工業ビル。
その3階に上がるとギャラリーがあります。

「安全口」=つまり、非常口、のトビラを通れば、外の雰囲気とはまったく異なり、白い壁のすっきりとした空間が現れます。
白い壁に大きな作品がゆったりと展示されており、確かにこの空間はセントラルなど中心部では実現が難しいと感じます。

「The crossing」と題された展示では、6人のアーティストの作品が編集されていました。
6人のアーティストはそれぞれ、フィリピン、中国、香港、台湾、シンガポール、日本にルーツを持ちます。

異なるバックグラウンド、異なる文化を持つ6人。
全体の構成や雰囲気、作家一人ひとりの作品の雰囲気もさることながら、作品一つはもとより総合的な意味合いと価値を感じます。

中でもRobert Gutierrezの作品はその中でも黒を基調にし、全体の中で引き締め役となっていました。描かれている絵もどこかミステリアス。しかし、優しさやぬくもり、明るい雰囲気も感じるのは、カラフルなステンドグラスや柔らかな曲線を描く奇妙な草花、仏のような人物像等どこかにスピリチュアルな要素が含まれるからでしょうか。

上の画像の右と左です。

携帯の充電が切れたので、撮影ができず画像が全体像しか残っていないのが残念です。
インターネットでは以下のサイトでもご覧いただけるようです。

http://www.richardhellergallery.com/dynamic/artist.asp?ArtistID=91

Robertは、伝統的なフィリピンの民話からインスピレーションを得ており、複雑なイメージ、空間、テクスチャを絵の形に融合させているようです。

また、この展示中には、日本人のアーティストである、Hiro TSUCHIYA(土屋裕央)さんの作品もキュレーションされていました。
グレイッシュな白を基調としたHiroさんの絵画はこの中で柔らかな雰囲気を醸していました。

”閾値を超えるということは、その間隔をトレースすること”。
様々な文化の違いを一様に並べ、その空間の中に身を置くことはそれそのものがCrossingであるー、そう感じました。

閾値をまたぐように、様々な歴史を経て文化的にも宗教的に絡み合い融合し相互に関係しあう、6人のアーティスト。
そもそも我々には閾値などあったのだろうか-。
観念を取り払えばそこには何もまたぐものはないことにも気づかされます。

丁度この日がオープニングということでおもてなしをいただきました。

香港の中心部からは少し離れていますが、バスで20分程で行ける場所です。
とても素敵なギャラリーなので、少し遠回りしても行く価値があると思います。

非常口を抜けると、非日常があった…
と一緒に同行した方が言っていました。

何かしらの非日常への入り口を約束する空間がそこにあると感じます。

Gallery EXIT/安全口 was established in 2008 to present conceptually grounded artworks from Hong Kong.

Gallery:EXIT/安全口
Title:The crossing《渡》
Artist:
Robert GUITIERREZ
HAN Bing
KAO Ya-Ting
Ivy MA
Hiro TSUCHIYA
29 March – 5 May 2018

http://www.galleryexit.com/

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