Art Basel Hong Kong #1

15 Apr 2018

こんにちは。
kaokomaです。

このメディアを立ち上げて、3カ月ほどが経ちました。

そして、3月のArt Basel Hong Kong (香港)へ出向いた際は何かしらの成果を持ち帰りたい、とその一心でした。

Art Basel Hong Kong (香港)では様々な出会いと発見がありましたので、ここで数回に分けてお伝えしたいと思います。

【Art Basel 香港 report-1】

初日のアートバーゼルのなかで、気になった作品をPICK UPしていきます。

なお、先に一言お伝えしておくと、アートバーゼルはマーケットなので、基本的には「売れる作品」しか置いてません。

つまり作家もマーケットを意識してつくっている、あるいは意識したものをギャラリーは出品している、ということです。
売れる=有名な、人気のある
となります。
例えば日本だと、奈良美智や村上隆などです。

つまり、裏を返せばここには出てこない(つまり価値の付け方が違う)アーティストもたくさんいるということを念頭に置いておこうと思います。

印象に残ったギャラリー&アーティストをダイジェストでご紹介します。

Eslite
Wong Hoy Cheong
http://eslitegallery.com/en/exhibition.php?id=148&
Re : Looking

Wongはすでに名の知れたアーティストですが、今回、私は初めて作品を見ました。マレーシアのペナン出身で、絵画、写真、ビデオ、インスタレーション、パフォーマンスなどさまざまな作品を発表しています。
このRe : looking は事実とフィクションの間にある分割を故意に信頼できない表現でぼかしています。
リビングルームであたかもテレビを見るようなインスタレーション。
ワイドショーなどテレビ番組をみるとき、いかにとそれが事実めいて見えてしまうように、メディアに操作されていることにハッとさせられる作品です。
絵画もフランス絵画から国内のシーンをカスタマイズして、旧英国植民地のイスラム今日ナイジェリア人、イラン人、トルコ人、ビルマ人の移民を描写しています。
こと今香港というカオスにいるとまさにそれを感じますが、世界中の疎外されたコミュニティの分化史を掘り起こすような絵画です。

ちなみに、東南アジア諸国は、日本のようにヨーロッパから西洋美術が入ってきてそれをもとに教育機関が発達しましたが、東南アジア諸国は、アートへの触れ方のスタート地点が日本と全く違います。
東南アジア諸国はつい最近まで内戦や戦争をしていた国も少なくありません。
そうした中では、政治への意見や反発をアートの力が代弁します。

つまり美術の体系的な教育を受けていないアーティストが多く、またそうしたアートはなかなかマーケットには出てきにくいのですが、真実味があって素晴らしいものが沢山ある、ということです。

Wongの場合は、アメリカでアートの教育を受けているということで、素晴らしい画力がありますが、こうした絵画やインスタレーションを組み合わせて展開できる力強さがやはり、こうしたマーケットに出てくることを一つ証明している気がします。

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