11 Feb 2019
みなさま初めまして。
今日からkaokoma.comでコラムを書くことになりました、Rei です。
茨城県で建築の設計・デザインをしながら、合間にグラフィック・デザインやグロービス経営大学院で経営学について学んでいます。よろしくお願いします。
■チームラボプラネッツに行ってきた
そして今回は天気が良かったので、kaokomaさんとお台場まで足を伸ばしてチームラボを体験しに行ってきました。
そしてさすがチームラボ!どの展示もとても魅力的で引き込まれます。
そんな中、なぜだかとても気になる展示がありました。
それがこちら、「冷たい生命 / Cold Life」です。
他の展示が大空間を使ったものに対して、これはこじんまりとした空間にありました。
けれど、その小空間にとても魅了され、ずっといたくなるような雰囲気を醸し出していました。
今回はこの「冷たい生命 / Cold Life」について書きたいと思います。
■「冷たい生命 / Cold Life」
この作品から感じるものは以下の通り。
・生命の誕生
(最初は宇宙空間に一筆の墨が描かれるような演出からはじまり、期待感を膨らませる。ビックバン?)
・季節の変化と成長(冬から始まり、春を迎え徐々に新芽が芽吹いていく)
・ワイヤーフレームを用いたデジタルな実在しない空想上の植物
言葉にするとこんな感じなのですが、展覧会後、2人でなぜ惹かれたのか?
もっと本質的な理由があるのではないか?と考えました。そして行きついたのは、これは「盆栽」なんじゃないか?ということです。
■デジタルな盆栽?
盆栽とは、自然の一部を用いて自分の好みに育てることにより、その人の心の小宇宙を表すものです。育てる人の心を表し、しばしば小宇宙に例えられたりします。冷たい生命にはどこか時間を圧縮・凝縮した生命の息吹、宇宙観を感じさせます。生命は時間であり、宇宙であり、庭園でもあります。
また、色合いも春の山々の淡く柔らかい色調のようでとても魅力的でした。ワイヤーフレームから感じる無機質な冷たさを感じさせない表現も面白かったです。
丁度立春(2/3)に見に行ったことも影響しているかもしれませんね。タイミングが良かった。
■実際のコンセプトは?
ちなみに、公式の解説では以下のように書かれていました。(以下引用)
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本作品は「生命は生命の力で生きている」(2011年)の表面を剥がし、その構造を明らかにしている。
コンピュータでは、三次元の物体の形状を、網目状の線の構造で記述された抽象的で高次の情報で表現される。三次元で描かれているものは、その表面を剥ぐと、網目状の線の集合でできている。表面を剥いだ状態、つまり構造で記述された抽象的で高次の情報の状態のままで表現している。
自然の恵みも脅威も、そして文明の恵みも脅威も、連続的でつながっている。どこかに絶対的な悪意が あるわけでもなければ、かといって綺麗ごとでもすまされない。わかりやすい解などないし、感情すら整理できないかもしれない。それでも、あらゆる状況においても“生きる”それを全部肯定したい。生命はうつくしい。
チームラボが設立以来取り組んでいる空間に書く書『空書』。書の墨跡が持つ、深さや速さ、力の強さのようなものを、新たな解釈で空間に立体的に再構築し、蝶や鳥、花などの動植物が宿り、移り変わる季節とともに生命の営みを表現した。「山川草木悉皆成仏(生きとし生けるものすべてに仏性はやどる)」から、禅においては、何ものにも囚われる事のない、自然でありのままの姿こそが仏であると考える。現代に生きる我々の考える生命の心をかたちにした。
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なるほど、冷たいとは、ワイヤーフレームを始めとしたデジタル表現なのか。
物質性のある熱を持ったものを暖かいものとするなら、デジタル状に描かれた植物は冷たいとなるのでしょうね。
そして、最初の墨絵?は「空書」というそう。これを読むと自分たちの感覚もあながち間違っていないと感じました。スッキリ。
■おまけ
ちなみに帰りに筑地によって、海の幸を堪能しました。
美術館で頭を使った後は、美味しいご飯を食べるに限ります。
まだ行かれていない方いればぜひ!とても楽しめる時間になると思います。
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[情報]
チームラボ プラネッツ TOKYO (teamLab Planets TOKYO) DMMcom
https://planets.teamlab.art/tokyo/jp
会 期:2018年7月7日 – 2020年秋
時 間:平日 10:00 – 22:00(最終入場21:00)
土日祝 9:00 – 22:00(最終入場21:00)
休館日:2019年2月7日(木)、3月7日(木)
住 所:東京都江東区豊洲6-1-16 teamLab Planets TOKYO
by Rei